講演内容

1日目 13:50-14:35

この一年間におけるサイバー関連法制の動向

岡村 久道 氏

この一年も、サイバー関連法制については警察法、防衛省設置法、電気通信事業法などの改正が相次いだ。
改正個人情報保護法の自治体に対する施行も本年4月1日付で行われる。他方で、サイバー関連の法律紛争も相次いでいる。
こうした法律面における、この一年間の動向を振り返って解説を加える予定である。


1日目 15:50-16:35

「実務」と「コミュニティ」の両面から探る実践的情報セキュリティ人材の発掘・育成

花田 智洋

実践的情報セキュリティ人材の発掘・育成は、我が国の長年の課題であり、当シンポジウムに関わる皆様も日々頭を悩ませていることと思います。
CYDER, SecHack365等は、情報通信研究機構(NICT)が実施するサイバーセキュリティの人材育成事業であり、SECCONは情報セキュリティをテーマに多様な競技を開催する情報セキュリティコンテストイベントです。
本講演では、ナショナルサイバートレーニングセンターが2017年から人材育成の事業として取り組んでいるCYDER, SecHack365等を「実務」の面から、有志のスペシャリストたちがボランティアベースで2012年から活動をするSECCONを「コミュニティ」の面からそれぞれ事例をご紹介し、実践的情報セキュリティ人材の発掘・育成の現場を探っていきます。


2日目 9:50-10:35

組織間連携によるセキュリティ人財育成の15年

砂原 秀樹 氏

2008年にIT Keys/ISS Squareがスタートして15年が経過した。その間、大学院生1500名以上、学部生1200名以上がプログラムを修了している。こうした経験の中でセキュリティ人財育成に求められるKnowHowも蓄積してきている。
一方で、解くべき課題も明らかになってきておりこれらに取り組む15年でもあった。
本講演では、この15年を俯瞰し得られたKnowHowと課題を俯瞰すると共に、次の15年へ向けて行うべきことを整理しながらより広い組織間連携による人財育成を展望する。


2日目 11:00-11:45

警察におけるサイバー人材の育成

渡邊 和彦 氏

新型コロナウイルス感染拡大やデジタル化の進展などにより、サイバー空間の公共空間化が加速している一方、治安に関するアンケート調査では、国民の多くがサイバー犯罪の被害に遭う不安を感じていることが明らかとなっている。
警察庁では令和4年度、深刻化するサイバー空間の脅威に的確に対処するため、サイバー警察局及びサイバー特別捜査隊を設置して組織体制を整備したところであるが、第一線の警察活動は職員の確かな判断能力や実務能力に支えられているところ、サイバー事案対処に係る人的基盤の強化は必要不可欠である。
警察では、捜査部門や情報通信部門、人事部門等の間で連携を図りつつ、採用・登用、教養・研修、キャリアパス管理等を部門横断的かつ体系的に実施することで、サイバー人材の裾野の拡大及び能力の向上を計画的に推進している。
本講演では、こうした警察におけるサイバー人材の育成に係る取組についてお話します。


2日目 13:05-13:50

ウクライナ・台湾情勢を受けて求められる人材とは

松原 実穂子 氏

2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、ウクライナの重要インフラに対する様々なサイバー攻撃が続いている。
ウクライナは驚異的なレジリエンスをサイバーセキュリティ面で示しているが、火力による重要インフラへの攻撃も行われ、戦時ならではのセキュリティ課題も見えてきた。

また、8月のペロシ米下院議長の台湾訪問直後の大規模軍事演習を受け、台湾有事への危機感が高まっている。
12月に発表された安保3文書の能動的サイバー防御の意味を紐解きながら、ウクライナと台湾を巡る情勢に基づき、今の日本でどのようなサイバーセキュリティ人材が求められるようになってきているのかを解説したい。


2日目 14:15-15:00

自動車アーキテクチャの変化とソフトウェア人材の重要性

井上 博之 氏

現代の自動車はADAS(先進運転支援システム)のような新機能やコネクティッドなサービスなどが搭載され、またEV(電気自動車)化されるなどアーキテクチャが大きく変化してきています。同時に、外部からの不正アクセスやマルウェアから守るための情報セキュリティ対策やソフトウェア(ファームウェア)の遠隔更新も市販車として必須の要件とされてきています。これらの実現のためには多くの機能がソフトウェアで実装されており、自動車内の通信や外部との通信も含め、ソフトウェア技術者とネットワーク技術者はますます必要とされる状況にあります。自動車のサイバーセキュリティにおけるインシデント事例や現在の自動車におけるソフトウェアの重要性などを説明し、自動車のアーキテクチャの変化と必要とされる人材などについて解説します。


2日目 16:10-16:55

セキュリティ人材育成に係る総務省の取組の過去・現在・未来

河合 直樹 氏

社会全体のDXが進展し、サイバー空間が社会経済活動の基盤としての重みを増しつつ拡張する一方で、経済目的や地政学的背景から行われるサイバー攻撃は高度化し、その被害が深刻化しています。
こうした脅威に対抗できるようにサイバーセキュリティを強化し、安全で安心して暮らせるデジタル社会を実現する上で、セキュリティ人材の育成・確保は欠かせない要素であるとともに、社会全体にとっての大きな課題です。
本講演では、上記のような課題意識の下、総務省がこれまで取り組んできたセキュリティ人材育成に係る施策を概観しつつ、現在、そしてこれからの取組をご紹介したいと思います。


3日目 9:50-10:35

サイバーセキュリティ人材育成の現場からの報告

新井 悠 氏

サイバーセキュリティ人材の不足が叫ばれてからすでに数年が経過している。

本講演では、長年のサイバーセキュリティ人材育成に、講師として育成側に携わってきた経験や内容について、NTTグループの取り組み、大学での取り組み、捜査機関関係での取り組みなどについて具体的に紹介する。


3日目 12:50-14:10 (パネルディスカッション)

セキュリティ人材育成の未来

コーディネーター:上原 哲太郎 氏
パネリスト: 楠 正憲
砂原 秀樹
新井 悠


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    サイバーセキュリティシンポジウム道後
    情報セキュリティワークショップin越後湯沢
    九州サイバーセキュリティシンポジウム
    サイバー防衛シンポジウム熱海